旧日本陸軍歩兵操典
昭和15年改定
軍令陸第七号
歩兵操典
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勅语#2
纲领 #3
総则 #4
第一篇 各个教练
通则 #5
第一章 基本
第一节 不动の姿势、右(左)向、半右(左)向、后向 #6
第二节 担铳、立铳、行进 #7
第三节 着剣、脱剣、小铳及び軽机関铳の弾薬の装填、抽出 #8
第四节 射撃 #9
第五节 手榴弾の投掷 #10
第二章 戦闘
要则 #11
第一节 射撃 #12
第二节 运动、运动と射撃との连繋 #13
第三节 手榴弾の投掷 #14
第四节 突撃 #15
第三章 夜间の动作 #16
第四章 戦闘间兵一般の心得#17
第二篇 中队教练
通则 #18
第一章 密集
第一节 队形 #19
第二节 密集の动作#20
第二章 戦闘
要则 #21
第一节 分队
第一款 攻撃 #22
第二款 防御 #23
第二节 小队
第一款 攻撃#24
第二款 防御#25
第三节 中队
第一款 攻撃 #26
第二款 防御#27
第三章 夜间戦闘
第一节 攻撃 #28
第二节 防御 #29
第三节 追撃、退却#30
第四章 弾薬及び资材の补充、弾薬小队の行动 #31
第三篇 机関铳及び自动炮教练
通则 #32
第一章 密集
第一节 队形 #33
第二节 密集の动作 #34
第二章 射撃
第一节 机関铳 #35
第二节 自动炮#36
第三章 戦闘
要则 #37
第一节 分队 #38
第二节 小队
第一款 攻撃 #39
第二款 防御#40
第三节 中队
第一款 攻撃 #41
第二款 防御 #42
第三款 追撃、退却 #43
第四章 夜间戦闘 #44
第五章 弾薬及び资材の补充、弾薬小队の行动#45
第四篇 歩兵炮教练
通则 #46
第一章 密集
第一节 队形 #47
第二节 密集の动作 #48
第二章 射撃
第一节 连队炮、大队炮 #49
第二节 速射炮 #50
第三章 戦闘
要则 #51
第一节 分队 #52
第二节 小队
第一款 攻撃 #53
第二款 防御#54
第三节 中队
第一款 攻撃 #55
第二款 防御 #56
第三款 追撃、退却#57
第四章 夜间戦闘 #588
第五章 弾薬及び资材の补充、弾薬小队の行动#59
第五篇 大队教练
通则 #60
第一章 集合队形 #61
第二章 戦闘
要则 #62
第一节 攻撃 #63
第二节 防御 #64
第三节 追撃、退却#65
第三章 夜间戦闘
第一节 攻撃 #66
第二节 防御 #67
第三节 追撃、退却#68
第四章 弾薬及び资材の补充、大队弾薬班の行动#69
第六篇 通信队教练
通则 #70
第一章 密集
第一节 队形 #71
第二节 密集の动作 #72
第二章 通信
第一节 分队
要旨 #73
第一款 基本 #74
第二款 戦闘#75
第二节 小队及び通信队
要旨 #76
戦闘 #77
第七篇 连队教练
通则 #78
第一章 集合队形 #79
第二章 戦闘 #80
第三章 夜间戦闘 #81
第四章 弾薬及び资材の补充、连队弾薬班の行动#82
附录
其の一 観兵の制式、刀及び喇叭の操法#83
其の二 対戦车肉薄攻撃 #84
其の三 拳铳の操法 #85
其の四 十一年式軽机関铳の操法#86
其の五 九四式眼镜照准具の操法 #87
其の六 挽马编成大队炮及び速射炮教练 #88
其の七 平射歩兵炮教练 #89
附図
第一 #90
第二 #91
歩兵操典目次 终
歩兵操典
纲领
第1 军の主とする所は戦闘なり。故に百事皆戦闘を以って基准とすべし。而して、戦闘一般の目的は敌を圧倒歼灭して迅速に戦捷を获得するに在り
第2 戦捷の要は有形无形の各种戦闘要素を総合して、敌に优る威力を要点に集中発挥せしむるに在り
训练精到にして、必胜の信念坚く、军纪至厳にして、攻撃精神充溢せる军队は、能く物质的威力を凌驾して戦捷を完うし得るものとす
第3 必胜の信念は主として军の光辉ある歴史に根源し、周到なる训练を以って之を培养し、卓越なる指挥统帅を以って之を充実す
赫々たる伝统を有する国军は、愈々忠君爱国の精神を砥砺し、益々训练の精熟を重ね、戦闘惨烈の极所に至るも上下相信倚し、毅然として必胜の信念を持せざるべからず
第4 军纪は军队の命脉なり。戦场到る処境遇を异にし、且つ诸种の任务を有する全军をして、上将帅より下一兵に至るまで、脉络一贯、克く一定の方针に従い、众心一致の行动に就かしめ得るもの即ち军纪にして、其の弛张は実に军の运命を左右するものなり。而して、军纪の要素は服従に在り。故に全军の将兵をして身命を君国に献げ、至诚上长に服従し、其の命令を确守するを以って第二の天性と成さしむるを要す
第5 凡そ兵戦の事たる、独断を要するもの颇る多し。而して、独断は其の精神に於いては决して服従と相反するものにあらず。常に上官の意図を明察し、大局を判断して、状况の変化に応じ、自ら其の目的を达し得べき最良の方法を选び、以って机宜を制せざるべからず
第6 军队は常に攻撃精神充溢し、志気旺盛ならざるべからず
攻撃精神は忠君爱国の至诚より発する军人精神の精华にして、强固なる军队志気の表徴なり。武技之に依りて精を致し、教练之に依りて光を放ち、戦闘之に依りて胜を奏す。盖し胜败の数は必ずしも兵力の多寡に依らず。精练にして、且つ攻撃精神に富める军队は、克く寡を以って众を破ることを得るものなればなり
第7 协同一致は戦闘の目的を达する为、极めて重要なり。兵种を论ぜず上下を问わず、戮力协心、全军一体の実を挙げ、始めて戦闘の成果を期し得べく、全般の情势を考察し、各々其の职责を重んじ、一意任务の遂行に努力するは、即ち协同一致の趣旨に合するものなり。而して、诸兵种の协同は歩兵をして其の目的を达成せしむるを主眼とし、之を行うを本义とす
第8 戦闘は挽近著しく复雑靱强の性质を帯び、且つ资材の充実、补给の円滑は必ずしも常に之を望むべからず。故に、军队は坚忍不抜、克く困苦欠乏に堪え、难局を打开し、戦捷の一途に迈进するを要す
第9 敌の意表に出ずるは、机を制し、胜を得るの要道なり。故に、旺盛なる企図心と、追随を许さざる创意と、神速なる机动とを以って敌に临み、常に主动の位置に立ち、全军相戒めて厳に我が军の企図を秘匿し、困难なる地形及び悪天候をも克服し、疾风迅雷、敌をして之に対応するの策无からしむること紧要なり
第10 指挥官は军队指挥の中枢にして、又団结の核心なり。故に、常时炽烈なる责任観念、及び强固なる意志を以って其の职责を遂行すると共に、高迈なる徳性を备え部下と苦楽を倶にし、率先躬行、军队の仪表として其の尊信を受け、剣电弾雨の间に立ち、勇猛沈着、部下をして富岳の重きを感ぜしめざるべからず
为さざると遅疑するとは指挥官の最も戒むべき所とす。是此の両者の军队を危殆に陥らしむること、其の方法を误るよりも更に甚だしきものあればなり
第11 歩兵は军の主兵にして、诸兵种协同の核心となり、常に戦场に於ける主要の任务を负担し、先头に最后の决を与うるものなり
歩兵の本领は、地形及び时期の如何を问わず戦闘を実行し、突撃を以って敌を歼灭するに在り。而して、歩兵は縦い他兵种の协同を欠くことあるも、自ら克く戦闘を遂行せざるべからず
歩兵は常に兵器を尊重し、弾薬、资材を节用し、马を爱护すべし
第12 戦闘に於いては百事简単にして、且つ精练なるもの能く成功を期し得べし。典令は此の趣旨に基づき、军队训练上主要なる原则、法则、及び制式を示すものにして、之が运用の妙は一に其の人に存す。固より妄りに典则に乖くべからず。又、之に拘泥して実効を误るべからず。宜しく工夫を积み、创意に勉め、以って千差万别の状况に処し之を活用すべし
この「纲领」は、作戦要务令、及び他の各兵种の操典にも共通するもので、违いは第11条のみ(作戦要务令にはなく、全11条になっている)。
これを以って陆军の精神主义の象徴のように扱ってあげつらう例が后を绝たないが、まずこれは师団レベル以下の教科书にのみ附されていることに注意せねばならない。
つまり、これは「戦闘」に関して述べており、「戦争」に関して述べているわけではない。あくまで戦场において敌味方の部队が冲突する场面について述べているのであり、これを以って陆军全体の戦争指导にまで直结させるのは牵强付会と思われる。
第1条、戦场において速戦即决は当然である。
第2条、戦力の集中の原则について述べる。「训练精到云々」に関して言えば、これは敌には物质的戦力しかない场合について述べている。こうした状况は実际の戦史にもよく见られることで、要するに见挂けの戦力だけを见て呑まれるなということが言いたいのである。
第3条、気合が抜けていては胜てるものも胜てない。これは戦争に限ったことではない。
第4条、军队の命令系统がてんでんばらばらでは胜ちようがない。
第5条、通信连络が现代ほど整っていなかったことにも考虑する必要がある。また、これは本来戦场限りの原则であり、その限りにおいては全く正しいものである。満州事変やノモンハンでの関东军、北部仏印进驻时の第五师団の如きは戦略的な状况に対してこれを适用したが、本来许されるべきことではない。この纲领第12条にもあるように、典范令を运用するのは人であるということを思うと、実に情けない。
第6条、攻撃精神は日本军の性格から见て称扬されるのは当然であろう。要するにやる気満々にしておけということである。但し、寡を以って众を制することを前面に打ち出したのは、ソ连と対峙していることを考えれば确かにどうしても止むを得ないことではあるが、いただけないこと夥しい。
第7条、诸兵种协同の原则について述べる。歩兵が军の主兵であるとすることを时代遅れと见る向きもあるが、それは全くの勉强不足と言うしかない。米英独ソといえども陆军の主兵は歩兵であると定义しているのである。问题は、日本军には炮と戦车が圧倒的に「不足していた」ことにあるのであり、歩兵中心主义であったことにあるのではない。
第8条、これを见て补给軽视とする向きもあるようだが、作戦要务令第三部、及び実际の戦闘序列を见る限り、日本陆军は补给を軽视してはいない。补给は顽张るけれども、间に合わないこともしょっちゅうあるだろう、そういうときでもそれを理由に戦闘を止めたり休んだりしてはならぬ、という程度の文ととるのが正答と思われる。
第9条、奇袭の原则について述べる。これはごくあたりまえのことしか言っておらず、多言を要すまい。
第10条、指挥官の心得について述べる。「为さざると遅疑するとは云々」に関しては、これがあまりに强调されすぎたために、第11条と相俟って、第7条の定めを軽视し、ないし无顿着な倾向が见られたのは非常に残念と言わねばならない。尤も、歩炮戦の协同とは言っても実际に炮兵と戦车が得られる场面は少なく、これを生かし活用することに歩兵将校が不惯れにならざるを得なかったことは付言しておく。
第11条、歩兵の心得について述べる。第10条でも触れたように、歩兵は自力のみで戦闘することが可能な兵种であるということが、炮兵と戦车の不足と相俟って日本军の自灭的な戦术运用のひとつの原因となっていたことは否めない。また「弾薬、资材を节用し」のくだりは悲しいものがある。
第12条、典范令の运用方法について述べる。実际には、このような柔软性はあまり见られることがなかった。暗记してそのとおりにやる方が陆士の采点が良かったからである。陆大においてはそういうことはなかったとされるが、これはこれで戦略単位と作戦戦术単位の区别がつかない参谋や将帅を生むことになる。実际のところ、日本军においては军司令官クラスの将帅の养成についてほぼ完全に失败したと言えるだろう。そして、作戦规模の小さい陆军であるがゆえに师団长クラスでも军司令官レベルの决心を迫られることも多々あったことがこの弱点に拍车をかけることになる。
歩兵操典
総则
第1 本操典は、歩兵を训练し戦闘を実行せしむる为、准拠たるべき事项を示すものとす
第2 歩兵は、本操典に拠り指挥官以下を训练して诸制式及び诸法则に习熟せしむると同时に、军纪厳正にして精神强固なる军队を练成し、以って戦闘百般の要求に応ずべし。特に戦时に在りては実戦の経験に鉴み、将来の変化を洞察し、克く本操典を活用し、且つ教え且つ戦い、以って戦捷の获得に遗憾なからしむるを要す
第3 操典の制式及び法则には、戦闘の要求及び训练の目的に従い、自ずから軽重本末あり。故に诸队长は良く之を判别して教练の重点を明らかにし、特に主要事项は终始演练を反复し、之が彻底を期すべし
制式及び法则に妄りに细密なる规定を设け之が内容を复雑ならしむべからず
第4 戦闘の基础たる诸教练は、歩兵中队、机関铳及び连(大)队炮小队、ならびに自动炮、速射炮及び有(无)线分队に於いて之を完成するものとす
歩兵各种部队の协同、及び此等と戦车、炮兵、工兵等との协同に関しては、小なる部队の教练より绵密に教育し、且つ相互の性能を良く理解せしむるを要す
大队以上に在りては、主として诸般の戦况に适応すべき各部队の协同动作を训练し、又、他兵种と连合して统合戦闘力を発挥する如く演练するを要す
第5 歩兵戦闘は敌に近接するに従い愈々激烈困难となり、尔后に於ける戦闘の成否は実に军の胜败を左右す。故に近距离に於ける戦闘、就中突撃准备、突撃、及び阵内の攻撃に関し训练すること特に紧要なり
第6 歩兵は特に夜间の行动に熟达するを要す。故に昼间に於ける如く演练を重ね、其の精到を期すべし。黎明、薄暮の利用に习熟すること亦紧要なり
第7 短期间に教育の目的を达せんとするときは、先ず戦场紧急の训练に彻底し、直ちに戦场の用に堪うるに至らしめ、时日の余裕を得るに従い其の训练を拡充して之を完成するものとす。此の场合に於いても主要なる基础的训练を十分ならしむること紧要なり
第8 指挥官は教练に於いても実戦に於いて取るべき位置と姿势とを选びて部下を指挥するを要す
上级指挥官は教练上の必要に応じ适宜の位置と姿势とを选ぶことを得。又、所要の部下指挥官に限り、斯くの如き动作を为さしむることあり
第9 号令及び命令は、坚确なる决意、厳粛なる态度を以って下すべし。而して、号令は明快なる音调を以って発唱し、ス令は简明确切にして下达迅速なるを要す。之が为、命令には勉めて号令词を用うるを便とす
号令中、予令は明了に长く、动令は活発に短く発唱す。记号、若しくは号音を以って、号令、命令に代うることあり
指挥官は状况に応じて下すべき号令及び命令の彻底、ならびに记号に依る指挥につき常に练磨して熟达せざるべからず。而して、号令及び命令の下达后は、之が実行を确认するを要す
第10 教练の计画及び実施上、特に留意すべき事项左の如し
一 教练を行なうには先ず目的を定め计画及び実行をして之に副わしむ。特に戦闘教练に在りては、现地に就き勉めて周到なる准备を整え、常に実戦の光景及び感想を现し、其の経过を过早ならしむべからず
二 戦闘教练に在りては、精神的要素の涵养に留意すると共に、指挥官をして、戦机の看破、敌弱点の捕捉、予想外の状况の克服等に习熟せしめ、且つ溌剌たる企図心の养成に着意す
三 戦闘教练は其の进度に伴い、人马、特に指挥官の损伤せる场合、困难なる地形及び気象を克服する场合、不十分なる给养及び强度の疲労を昼夜连続耐忍する场合等に就き深刻に练磨し、且つ极寒时又は酷热时に於いて戦闘を遂行する场合、大规模且つ执拗なる飞行机、戦车、瓦斯等の攻撃を受くる场合等に着意し、逐次训练を完成す
四 戦闘教练に方り、之に関连する各种の作业、就中工事は状况の许す限り実施せしむ
五 想定は训练の目的に适合し、成るべく简単ならしめ、且つ并立して戦闘する场合のみならず、独立せる场合をも考虑す。また、常に一定不変の状况を现し教练をして、模型に陥らしむべからず
第11 本操典中、各篇共通の规定左の如し
一 记号は左の如く行い、所要に応じ之を反复す
前进 片臂(うで)を高く上げ、次いで之を进むべき方向に伸ばす
停止 片臂を高く上げ、直ちに下ろす
駈歩 前进の记号を迅速に数回连続す
散开又は疎开 両臂を左右に肩の高さに上ぐ
射撃开始 小铳の据铳の真似を为す
射撃中止 片臂を前に伸ばし、数回左右に振る
駄载(繋驾)
又は卸下(脱驾) 片臂を横に伸ばし、数回円形を描く
弾薬补充 片臂を高く上げ、数回招く
了解 片臂を高く上ぐ
所要に応じ适宜の记号を定め、又、旗、火光、信号弾、音响等を用う 二 密集教练に於いては、小队长は要すれば小声、若しくは记号に依り小队の为すべき动作を示し、整顿、队形変换に在りては小队の动作を监视す三 驭兵及び卸下(脱驾)に於ける炮手(自动炮手を除く)は、行进に方り正规の歩法に依ることなく、且つ歩を揃うるを要せず四 号令中、予令は行书して之を区别す五 铳、炮、车輌に関する、前、后、右、左の称呼は、铳、炮に在りては铳(炮)尾より铳(炮)口に、车輌に在りては车体より辕杆端に面して称し、内(外)方とは、铳、炮、车輌の中心线に近(远)き方を称す
注:第11条4项に関しては、本テキストでは斜体 を以って示す。
また、5项にある「辕杆端」(えんかんたん)とは、陆军では马车を马につなぐための縦棒を辕杆と称し、また自动车牵引のトレーラーを牵引车に接続するための棒も同じく辕杆と称した。つまり、この棒の端っこが「辕杆端」である。
歩兵操典
第一篇 各个教练
通则
第12 各个教练の目的は、兵を训练して诸制式及び诸法则に习熟せしむると同时に、军人精神を锻え军纪を练り、部队教练の确乎たる基础を作るに在り
第13 各个教练を行なうに方りては、兵をして其の目的及び精神を会得し、之を実施の上に现さしむること紧要なり
兵教育の要は巧妙にあらずして熟练に在り。熟练は教育の恳笃适切なると、复习を厌わざるとに依りて得らるるものとす
第14 軽机関铳及び掷弾筒に関しては、特に定むるものの外、小铳に准ず
歩兵操典
第一篇 各个教练 第一章 基本
第一节 不动の姿势、右(左)向、半右(左)向、后向
第15 不动の姿势は军人基本の姿势なり。故に、常に军人精神、内に充溢し外厳粛端正ならざるべからず
不动の姿势を取らしむるには左の号令を下す
「気ヲ着ケ」
両踵を一线上に揃えて着け、両足は约60度に开きて斉しく外に向け、両膝は凝らずして伸ばし、上体を正しく腰の上に落ち着け、背を伸ばし少しく前に倾け、両肩を稍々后ろに引き一様に下げ、右手にて铳を握り、左臂(うで)を自然に垂れ(徒手に在りては両臂を自然に垂れ掌を股に接す)、指は軽く伸ばして并べ、中指を概ね袴(こ)の缝目に当て、颈及び头を真直ぐに保ち、口を闭じ、眼を正しく开き前方を直视す
铳を握るには腕関节(てくび)を稍々前に出し、铳身を拇指(おやゆび)と食指(ひとさしゆび)との间に置き、他の指は食指と共に闭じ、軽く屈めて铳床に添う。铳口は右臂より约10糎离し、铳身を后ろにし、床尾踵(しょうびしょう)を右足尖の傍に置き、铳身を概ね垂直に保つ
軽机関铳を持つときに在りては右手にて脚杆(きゃくかん)を并せ握る
掷弾筒を持つときに在りては、右手にて筒口を前にし、転轮を上にして柄杆(へいかん)上部を握り、筒身を概ね水平にす
第16 休憩せしむるには左の号令を下す
「休メ」
先ず左足を出し、尔后片足を旧の所に置き、その场に立ちて休憩す。此の际、照星を擦らざる如く铳を保つ。休憩中、许可なく话すことを禁ず
第17 右(左)向、又は半右(左)向を为さしむるには左の号令を下す
「右(左)向ケ 右(左)」 又は 「半右(左)向ケ 右(左)」(なかばみぎ(ひだり)むけ みぎ(ひだり))
右手にて铳を少しく上げ腰に支え、左踵にて90度、又は45度右(左)に向き、铳を静かに下ろす
后向を为さしめるには左の号令を下す
「廻レ 右」
右手にて铳を少しく上げ腰に支え、右足を其の方向に引き、足尖を仅かに左踵より离し、両踵にて后ろに廻り、右踵を左踵に引きつけ、铳を静かに下ろす
軽机関铳を持つときに在りては、予令に依り左手にて铳口の下を握り、动令に依り両手にて铳を少しく上げ、小铳を持つときの如く动作したる后、左手を旧に复す
歩兵操典
第一篇 各个教练 第一章 基本
第二节 担铳、立铳、行进
第18 担铳を为さしむるには左の号令を下す
「担エ铳」(になえつつ)
右手にて铳を上げ、铳身を概ね右に且つ垂直にし、拳を略々肩の高さにすると同时に左手にて照尺の下を握り、铳身を半ば前に向け、铳を少しく上ぐると同时に右臂(うで)を伸ばして、食指(ひとさしゆび)と中指との间に床尾踵(しょうびしょう)を置く如く床尾を握り、铳を右肩に担い、铳身を上にすると同时に左手を游底の上に置き、右上膊を軽く体に接し、床尾の环を体より约10糎离し、铳を上衣の扣の线に平行せしめ、杠杆(こうかん)の高さを概ね第一、第二扣の中央にし、左手を下ろす
軽机関铳を持つときに在りては、上体を前に曲げ、左手にて拇指を内侧にし、握把を上より握り、上体を起こすと同时に両手にて铳を上げ、铳身を上にする如く右肩に担い、次いで右手にて食指と中指との间に床尾踵を置く如く床尾を握り、铳は上衣の扣の线に平行せしめ、用心鉄を概ね右乳の上にし、左手を下ろす
第19 担铳より立铳を为さしむるには左の号令を下す
「立テ铳」(たてつつ)
右臂を伸ばして铳を下げ、铳身を半ば右に向け且つ概ね垂直にすると同时に左手にて照尺の下を握り、铳を少しく下げ、铳身を右にすると同时に右手にて木被の所を握り、其の拳を略々肩の高さにし、铳身を后ろにし之を下げ、腰に支え、同时に左手を下ろし铳を静かに地に着く
軽机関铳を持つときに在りては、左手にて握把を上より握り、铳を少しく下げ、右手にて铳身の中央部を握り、両手にて铳を下ろし、上体を前に曲げ、床尾を置くところに注目して之を静かに置き、左手を放ち上体を起こす
第20 行进は勇往迈进の気概あるを要す
速歩の一歩は踵より踵迄75糎を、速度は1分间114歩を基准とす
速歩行进を为さしむるには左の号令を下す
「前ヘ 进メ」
予令にて担铳を为し、动令にて左股を少しく上げ脚を前に出し、之を伸ばしつつ踏みつけ、同时に概ね膕(ひかがみ)を伸ばし体の重みを之に移す。左足を踏みつくると同时に右足を地より离し、左脚に就いて示せる如く右脚を前に出して踏みつけ、行进を続け、头を真直ぐに保ち、左臂(徒手に在りては両臂)を自然に振る
铳を担うことなく行进するには、右手にて铳を少しく上げ腰に支う。軽机関铳を持つときに在りては、左手にて铳口の下を握り、両手にて铳を少しく上ぐ
第21 停止せしむるには左の号令を下す
「分队 止マレ」
后ろの足を1歩前に踏出し、次の足を引きつけて止まり立铳を为す
第22 行进间、右(左)向を为さしむるには左の号令を下す
「右(左)向ケ前ヘ 进メ」
左(右)足尖を内にして约半歩前に踏みつけ、体を右(左)方に向け、右(左)足より新方向に行进す
第23 行进间、后向を为さしむるには左の号令を下す
「廻レ右前ヘ 进メ」
左足尖を内にして约半歩前に踏みつけ、両足尖にて后ろに廻り、続いて行进す
第24 速歩行进间、歩调を止めしむるには左の号令を下す
「歩调止メ」(ほちょうやめ)
正规の歩法に依ることなく、速歩の歩长と速度にて行进す
再び正规の歩法を取らしむるには「歩调取レ」の号令を下す
第25 駈歩の一歩は踵より踵迄约85糎、速度は1分间约170歩とす
駈歩行进を为さしむるには左の号令を下す
「駈歩 进メ」(かけあし すすめ)
予令にて担铳を为し剣鞘を握り(徒手に在りては右手を握り腰の高さに上げ肘を后ろにすると共に、左手にて剣鞘を握る)、动令にて左股を仅かに上げ前に踏みつけ、次いで右脚を前に出し、体の重みを常に踏みつけたる足に移し、左臂(徒手に在りては両臂)を自然に振り、続いて行进す
停止するには「分队 止マレ」の号令にて二歩行进し、后ろの足を一歩前に踏出し、次の足を引きつけて止まり、立铳を为す(徒手に在りては剣鞘を放つと共に右手を下ろす)
速歩に移るには「速歩 进メ」(はやあし すすめ)の号令にて二歩行进し速歩に移ると共に剣鞘を放ち、続いて行进す(徒手に在りては剣鞘を放つと共に右手を下ろす)
第26 駈歩行进间の诸动作は速歩行进间に於ける要领に准ず。但し、速歩に於けるよりも二歩多く行进したる后动作す
歩兵操典
第一篇 各个教练 第一章 基本
第三节 着剣、脱剣、小铳及び軽机関铳の弾薬の装填、抽出
第27 着剣せしむるには左の号令を下す
「着ケ剣」(つけけん)
不动の姿势に在るときは、右手にて小铳(軽机関铳)を左に倾け、铳身を少しく右に、铳口を概ね体の中央前にし、左手にて柄(つか)を逆に握りて铳剣を抜き、注目して确実に铳口(规整子)の所に着け、両手にて铳を起こし、不动の姿势に复す
第28 脱剣せしむるには左の号令を下す
「脱レ剣」(とれけん)
不动の姿势に在るときは、右手にて小铳(軽机関铳)を左に倾け、注目して左手にて铳剣の柄を握り、右手を上げ拇指にて驻子を押し、左手にて铳剣を脱し、之を右の方に倒して剣尖を下にし、右手の食指、中指と拇指(右手の食指と中指)とにて刃を挟み持ち、他の指にて铳を保ち、左手を翻して柄を握り铳剣を鞘に纳め、左手にて右手の下を握り右手を下げて木被の所を握り(左手にて铳口の下を握り)、両手にて铳を起こし、不动の姿势に复す
第29 装填せしむるには左の号令を下す
「弾薬ヲ込メ」(たまをこめ)
不动の姿势に在るときは、铳口を左前上にする如く、右手にて铳を概ね体の中央前に上げ、左手にて概ね铳の重心の所を握り、其の臂を体に着け、指は铳床の沟に置き、床鼻を右乳の右下にし、床尾を体に接し、注目して右手にて杠杆を握り之を起こしつつ十分に引き、弾薬盒を开き弾薬を撮み出し挿弾子沟に嵌め、拇指の头を弾薬の后部に当て弾仓内に押入れ、次いで游底を闭じ安全装置にし、弾薬盒を闭じ留革を挂け、木被の所を握り、不动の姿势に复す
軽机関铳を持ち不动の姿势に在るときは、铳に注目して之を体に托し、両手にて脚杆を开き、右手にて提把(ていは)を握ると同时に左足を约一歩前に踏出し铳を据え、右膝を地に着け右手にて握把を握り、左手にて杠杆を引き之を旧に复し、弾仓室盖を开き弾仓を装し安全装置にし、右手にて提把を握り铳を取り、右足を左足に引きつけて起ち、両手にて脚杆を闭じ、不动の姿势に复す
第30 弾薬を抽出せしむるには左の号令を下す
「弾薬ヲ抽ケ」(たまをぬけ)
不动の姿势に在るときは、装填に准じ铳を构え、注目して右手にて弾薬盒を开き、撃発装置にし、左手を尾筒(びとう)の所にし其の四指を伸ばして方窓部に当て、游底を静かに进退して弾薬を出し、弾薬盒に纳む。弾薬を出し尽せば残弾なきを确め、左手の指にて受筒板(たまうけ)を圧し游底を闭じ引鉄を引き、弾薬盒を闭じ留革を挂け、右手にて木被の所を握り、不动の姿势に复す
軽机関铳を持ち不动の姿势に在るときは、装填に准じ姿势を取り、右手にて握把を握り注目して撃発装置にし、左手にて杠杆を引き之を旧に复し、弾仓止を前方に圧しつつ弾仓を握りて前上方に脱し、残弾なきを确め、杠杆を引き之を保ち引鉄を引きて静かに前进せしめ、弾仓室盖を闭じ、右手にて提把を握り、装填に准じ不动の姿势に复す
歩兵操典
第一篇 各个教练第一章 基本
第四节 射撃
要旨
第31 射撃は兵の动作中特に紧要なり。故に绵密周到に教育し、戦闘の为确乎たる基础を作るを 要す。但し、逆射の姿势は其の要领を、立射の姿势は単に其の概要を习得せしむるを以って足る
射撃教育に方りては、装面して演练すること亦必要なり
第32 良好なる射撃姿势は、精熟せる据铳、照准、撃発と共に、命中を良好ならしむるの基础なり
射撃姿势は兵の体格に良く适応し、常に坚确にして而も凝ることなく自然の状态に在るを要す
小铳
第33 射撃姿势を取らしむるには、目标を示し左の号令を下す。但し、対空射撃に在りては方向を示し、射撃姿势を取らしめたる后目标を示すことあり
「伏射」(ねうち) (「膝射」(ひざうち) 「逆射」(さかうち) 「立射」(たちうち))
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
伏射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、左手にて弾薬盒を左右に开き、左足を约半歩右足尖の前に踏出すと同时に上体を半ば右に向け、右膝より地に着け、左手を前に出し地に着け、体を射撃方向に対し约30度に伏卧し、同时に右手にて铳を前に出し左手にて概ね铳の重心の所を握り指を铳床の沟に置き、装填したる后、右手にて稍々下より铳把を握り、之を腮(あご)の稍々前にし、両肘を地に支え目标に注目す
膝射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、左手にて弾薬盒を左右に开き、左足を伏射に於ける如く踏出すと同时に上体を半ば右に向け、左手にて剣鞘を前に払い、右脚を曲げ其の股を目标の方向と概ね直角に平らに地に着け、臀を右足の后ろにて地に着け、左脚を立て、同时に右手にて铳を前に倒し、左手にて概ね铳の重心の所を握り指を铳床の沟に置き、其の前臂を左膝の上に置き、床尾板を右股の内侧に当て装填したる后、右手にて概ね右侧面より铳把を握り、上体を自然の方向に概ね真直ぐに保ち目标に注目す
逆射の姿势を取るには、膝射に准じ臀を地に着けつつ、左手にて概ね铳の重心の所を握り指を铳床の沟に置き、仰卧し、床尾を右腋下にし床嘴(しょうし)を地に着け铳口を上にし装填したる后、右手にて概ね右侧面より铳把を握り、铳を地面に対し约60度に保つ。后盒を有する时は先ず左手にて左に廻す
立射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、右足尖にて半ば右に向きつつ左足を约半歩左前に踏出し、同时に右手にて铳を上げつつ前に倒し、左手にて概ね膝射の如く保ち、床鼻を右乳より少しく下にし、床尾を体に接し装填したる后、右手にて概ね右侧面より铳把を握り目标に注目す
射撃姿势を取りたるとき、逆射姿势に在りては铳口を概ね眼の高さにす。何れの姿势に在りても右手の食指を用心鉄の内に入れて伸ばし、装填しあるときは撃発装置にす。又、姿势を取りたる后不具合を感ずるときは速やかに修正す。膝射に在りては体格に依り臀を右足の上に载す
第34 狙撃眼镜を铳に装するには、眼镜を取出し眼镜紧定把を「脱」に位置せしめ、左手に铳を持ち右手にて眼镜を握り、铳の眼镜止バネに装着部の钩する迄静かに推し进め、紧定把を「装」に位置せしむ
眼镜を铳より脱すには前项と反対の顺序に操作す
第35 射撃せしむるには、予め照尺(射距离)を示し、左の号令を下す
「撃テ」
连続して射撃を行なう。而して装填する毎に弾薬盒を闭じ留革を挂く
第36 射撃を中止せしむるには左の号令を下す
「撃方待テ」(うちかたまて)
据铳前の姿势に复し、次発の准备を为す
射撃を止めしむるには左の号令を下す
「撃方止メ」(うちかたやめ)
注目して安全装置にし、照尺を旧に复し、头を目标の方向にし、伏射に在りては姿势を取りたるときと概ね反対の顺序にて上体を起こし、左足を约一歩前に踏出して起ち、右足を引きつけ、弾薬盒を旧に复し、膝射に在りては右手にて木被の所を握りて起ち、目标の方向に向きつつ右足を左足に引きつけ、弾薬盒を旧に复し、逆射に在りては右手にて体を起こし、姿势を取りたるときと概ね反対の顺序にて起ち右足を左足に引きつけ、立射に在りては右手にて木被の所を握り、左踵にて目标の方向に向きつつ右足を左足に引きつけ、不动の姿势に复す
軽机関铳
第37 射撃姿势を取らしむるには、目标を示し左の号令を下す。但し、高射に在りては方向を示し、射撃姿势を取らしめたる后目标を示すことあり
「伏射」(ねうち) (「高射」(こうしゃ))
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
伏射の姿势を取るには、铳に注目して之を体に托し、両手にて脚杆を开き、右手にて提把を握ると同时に左足を约一歩前に踏出し、铳把を概ね左足尖の右傍に在らしむる如く目标に対し铳を据え、床尾の両侧に両手を着き、概ね铳身の方向に一致する如く伏卧し、右手にて握把を握り装填したる后、左手にて铳把を下より握り、目标に注目す
高射は二名协同して行う。高射の姿势を取るには、射手は伏射に於ける如く、脚杆を开き、右手にて提把を握り、铳を前に差し出して他の兵に保持せしめ、両膝を开きて地に着け、伏射に准じ铳を保ちて装填し、左手にて铳把を下より握る。又、他の兵は射手の前方约二歩に正対し、両膝を开きて地に着け、射手の差し出す铳の脚杆の踵鉄部(しょうてつぶ)を両手にて握り、両肘を外方に张り之を保つ
第38 眼镜を铳に装するには、眼镜を取出し右手にて遮光筒を前にして上より握り、之を眼镜托坐(たくざ)に装し左手にて支え、右手にて紧定す
眼镜を铳より脱すには前项と反対の顺序に操作す
第39 弾薬を弾仓に充填するには、装弾器を取出し吊纽を首に挂け、弾仓を取出して装弾器に装し、押鉄を开き弾薬を撮み出し、次いで左手にて弾仓を握り、右手にて弾薬を装弾器内に込め、左手の食指にて弾薬を下方に圧し、右手にて押鉄を一挙に内方に圧して充填す
第40 射撃は通常点射(3乃至5発)を用い、时として连続点射を用う
射撃せしむるには、予め射距离(照尺)、要すれば射向修正量、照准点を号令す。照尺、横尺に依るときは射手は之を装し、其の结果を报告す
点射を反复〔移动〕せしむるには発数を示し、左の号令を下す
「撃テ」 〔「右(左)ヨリ撃テ」〕
射手は概ね示されたる発数宛発射す
连続点射を为さしむるには「连続撃テ」の号令を下す
第41 射撃を中止するには「撃方待テ」の号令にて据铳前の姿势に复す
射撃を止むるには「撃方止メ」の号令にて、射手は床尾を肩より下ろし、杠杆を引き之を旧に复し、注目して安全装置にし、照尺、横尺を旧に复したる后、伏射に在りては头を目标の方向にし、铳を置きたる侭、右足を曲げ両手を着き左足を约一歩前に踏出し床尾の左侧に起ち、高射に在りては、左手にて铳把を握り右手にて提把を握り铳を地に置きて起ち、脚杆を保持する兵は、射手提把を握るや、姿势を取りたるときと概ね反対の顺序にて起ち、不动の姿势に复す
掷弾筒
第42 射撃姿势を取らしむるには、目标(方向)を示し左の号令を下す
「伏射」 (「膝射」)
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
伏射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、小铳手の伏射に准じ、体を射撃方向に対し约10度に伏卧し、右手にて筒を前に据え、右肘を地に着け、左手にて左上より筒身の略々中央を、右手にて柄杆下部を握り、左臂を伸ばして筒を水平面に対し45度に保ち、右手にて引革を握り、目标に注目す
膝射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、小铳手の膝射に准じ、右膝を地に着け臀を右踵の上に落着け、止板(とめばん)前端概ね左足の内侧中央に在る如く筒を据うるの外、伏射に准ず
第43 装填は発射の直前に行なう
装填するには弾薬手は弾薬を取り、安全栓を抜き、装薬室を下にし、弾轴を筒身に一致せしめて筒口に嵌め、食指にて肩部を圧して筒内に押込む
射手自ら装填するには、右手にて弾薬を取り安全栓の纽を咥えて抜きたる后装填す
第44 掷弾筒の射撃は指命射及び各个射とす
射撃せしむるには、予め距离分画を、榴弾以外の弾种を使用するときは距离分画の前に弾种を号令す。射手は所命の分画を装し、其の结果を报告し、装填终れば「准备终リ」と报告す
指命射を为さしむるには、例えば左の号令を下す
「第一 撃テ」
射手は引革を引きて発射し、射弾の方向を観测す
各个射を为さしむるには、例えば左の号令を下す
「各个ニ3発 撃テ」
射手は最大の速度にて所命の弾数を発射す。终れば「撃终リ」(うちおわり)と报告す
第45 不発の时は、射手は数回引革を引き、尚発火せざるときは「不発」と唱え弾薬を抽出す
弾薬を抽出するには、射手は転轮を廻し、筒口より弾薬现るるや弾薬手は信管に触れざる如く确実に之を握り、徐(おもむろ)に抽出し安全栓を挿す
第46 射撃を中止するには「撃方待テ」の号令を下す
射撃を止むるには「撃方止メ」の号令にて、残弾あるときは之を抽出したる后、射手は距离分画を略々中央に复し、右手にて柄杆上部を握り、小铳手の射撃を止むるときに准じ不动の姿势に复す
歩兵操典
第一篇 各个教练第一章 基本
第五节 手榴弾の投掷
第47 投掷姿势を取らしむるには、目标を示し左の号令を下す
「立投」(たちなげ) (「膝投」(ひざなげ) 「伏投」(ねなげ))
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
立投の姿势を取るには、铳を右手に持ちたる侭、両踵を目标と概ね一线上に在らしむる如く、立射に准じ姿势を取り、铳を左臂に托し、手榴弾を取出し安全装置を解きて発火の准备を为し、左手にて铳を提ぐ
膝投の姿势を取るには、膝射に准じ姿势を取り、右足尖を立て臀を右踵の上に乗せ、铳を右前に置き、手榴弾を取出し発火の准备を为す
伏投の姿势を取るには、伏射に准じ姿势を取り、铳を右前に置き、手榴弾を取出し発火の准备を为し、臀を高くせざる如く左脚を腹部の下に深く曲ぐ
左手にて投掷するを利とする者は右手にて投掷する者に准じ适宜动作す
第48 投掷せしむるには左の号令を下す
「投ゲ」
信管を発火せしめ、其の発火を确认したる后投掷す
歩兵操典
第一篇 各个教练 第二章 戦闘
要则
第49 戦闘各个教练は、兵をして散兵の动作に必要なる基础を得しむることを目的とす。之が为、敌に対し地形地物を利用して前进し、停止し、射撃し、突撃することに习熟せしむると共に、特に攻撃精神を养成し、以って自ら信じて戦闘し得るの能力を与うるを要す
第50 戦闘各个教练の教育に方りては、最初は号令に依り动作せしめ、要领を会得せば号令に依ることなく実施せしむ
戦闘各个教练は教育の各期を通じ绝えず之を行ない、又、瓦斯内の戦闘に习熟せしむるを要す
歩兵操典
第一篇 各个教练第二章 戦闘
第一节 射撃
要旨
第51 射撃教育に方りては、戦场に於ける诸般の状况に即し、常に正确适切に射撃し得る如く训练するを要す。之が为、速やかに目标を発见し适当に之を选ぶこと、适切に照准点を定めむること、视え难き目标を的确に射撃すること、及び剧动后に於いても沈着して正确なる射撃を行うことに习熟せしめ、特に狙撃手及び軽机関铳射手に在りては此等に熟达せしめ、且つ隠顕、移动目标をも机敏的确に狙撃し得しむ
第52 射撃の为地形地物を利用するの要は、铳、筒の最大威力を発扬するを主とし、并せて遮蔽の効果を収むるに在り。故に、兵をして目标及び敌火の状态に応じ、各种の地形地物に就いて価値を判别し、要すれば之を改修し、适切に射撃することに习熟せしむ
小铳
第53 射撃に方りては、地皱又は土块と虽も巧みに利用して姿势を坚确にし、或は铳を地物に托し、或は铳の脚を用い、射撃効力を発扬す。铳を依托するときは、铳口を少なくも约10糎地面より离す
胸墙に拠る射撃は、身体の全部又は左侧を内斜面に接し、両肘又は左肘を臂座に置き铳を胸墙に托す。又、树木に拠る射撃は适宜左前臂を之に托す
第54 地形地物を利用する膝射の姿势に在りては、右足尖を立て臀部を右踵の上に载せ、或は臀部を上げ、或は両膝を立て両肘を其の上に置き、或は左肘を膝より离して立射の如くする等、适宜応用姿势を取ることあり
倾斜せる土地に於ける伏射の姿势に在りては、体の角度を増减し、又は片肘を开闭し、或は脚を曲ぐる等の手段に依り体を安定にし、据铳を确実にす
第55 対空射撃の为には、通常逆射、若しくは膝射の応用姿势を用う。状况に依り伏射を用うることあり
軽机関铳
第56 射撃は軽机関铳射手の为、最も重要なる戦闘手段なり。故に、之に习熟するの外、铳の构造机能及び固癖を知悉し、且つ故障の予防及び排除に习熟し、軽机関铳の特性を遗憾なく発挥するを要す
射手は目标の状态、距离の远近等に依り自ら射法を选び、且つ点射に於ける発数を决定し得ざるべからず
连続点射は瞬间现出する有利なる目标、又は至近距离に於ける密集目标等に対し、一时之を行なう
第57 铳を据うるには、目标に対し両脚杆及び両臂の高低の関系を适当ならしめ、又、発射に方り铳口前に尘烟の扬らざる如く考虑す
両脚杆の位置は左右概ね高低なく射撃に际し脚杆の没入せざる所に选び、両肘の位置は射撃中変移することなき所に选ぶ
脚杆を低(高)くするには铳を后方に引き、右手にて提把を握り、左手の拇指にて脚杆头驻子を圧し脚杆を前(后)方に移し、铳を旧に复す
状况に依り后脚を使用して射撃するを利とすることあり
铳を直接地物に托するの止むなきときは「ガス」排出孔を塞がざることに注意し、且つ铳口を少なくも约10糎地面より离す
第58 铳座に拠る射撃は通常体の前部を内斜面に接し、伏射に准じ行う
树木に遮蔽して射撃するときは、装填、薬荚の蹴出に支障なきを要す
地形地物の状态に拠り、小铳に於ける立射、膝射の姿势を准用することあり
掷弾筒
第59 筒を据うるに方りては、止板の位置良好にして、且つ射弾の観测に支障なき限り、勉めて遮蔽せる位置を选ぶ
止板の位置は左右高低なく安定良き所に选ぶ
著しく坚硬なる土地に於いては、止板の下に适宜の物料を敷く
地物の后ろに在りては、之に射弾の触れざる如く、适宜离れて止板の位置を定む。又、倾斜地に在りては特に射角を误らざること紧要なり
胸墙に拠る射撃は身体の前部を内斜面に接し、伏射に准じ行う
歩兵操典
第一篇 各个教练 第二章 戦闘
第二节 运动、运动と射撃との连繋
第60 兵は、运动、特に発进、停止の动作を机敏にし、敌をして目标を捕捉し难からしめ速やかに敌に近接す
第61 早駈(駈歩)(匍匐)にて前进せしむるには、左の号令を下す
「早駈(駈歩)(匍匐) 前ヘ」 (はやがけ(かけあし)(ほふく) まえへ)
「早駈(駈歩)」の号令にて安全装置にし、小铳手に在りては表尺を倒し右手にて木被の所を握り、掷弾筒射手に在りては残弾あるときは之を抽出し右手にて柄杆を握り速やかに前进准备を整え、「前へ」の号令にて、小铳手に在りては铳口を上にして铳を提げ、軽机関铳射手に在りては右手にて提把を握り通常左手にて充実せる弾仓嚢一个を持ち、掷弾筒射手に在りては筒を提げ、直ちに早駈(駈歩)にて前进す
「匍匐」の号令にて、前项に准じ速やかに准备を整え、「前へ」の号令にて、铳、筒を适宜保持し、匍匐にて前进す
匍匐するには、伏卧して左脚を右脚下に深く曲げ、右脚を臀の后ろに曲ぐると同时に左肘又は左手を前に出し、右足にて体を推进し、或は両肘を支点として体を前に进め、又は片肘を支点とし反対脚を前侧方に曲げ、其の脚及び膝にて体を推进する等の方法に依る
発进に方り、准备の为、著しく姿势を変化し敌の注意を唤起せざるを要す
早駈若しくは駈歩を为す场合に於いては剣鞘を握らざるも妨げなし
速歩にて前进せしむるには「前へ」の号令を下す。兵は第二项に准じ速歩にて前进す
第62 停止せしむるには左の号令を下す
「止レ」
速やかに地形地物、阴影等を利用して停止し、适当なる位置と姿势とを选び、射撃す。射撃の任务を有せざるときは、伏卧、折敷に准じ适宜姿势を取り遮蔽す
伏卧に在りては勉めて姿势を低くし、軽机関铳射手は通常铳を傍に置く。何れの场合に於いても著明なる地形地物の付近に位置せざるを要す
第63 兵は前进の好机を看破して、一地より一地に敏速に直进し、或は地形地物、阴影等を利用する为要すれば针路を偏移し、又は身体を屈し、若しくは匍匐して敌に近接し、且つ、各种の障碍物、壕、弾痕等を适切なる姿势と歩度とを以って軽快に通过す
兵は前进方向を确実に维持すること必要なり
第64 歩度は敌火の状态、地形等に依り异なるも、敌弾下に在りては早駈、时として駈にて跃进し、又は匍匐す。敌の有効射撃を被らざるときは速歩を用うることあり
早駈若しくは駈歩にて一跃前进すべき距离は一定し难しと虽も、敌火の効力著しきときは通常30米を超えざるを可とす
第65 运动と射撃との连繋を教育するに方りては、停止后速やかに地形地物を利用し的确に射撃すること、及び前进方向と异なる方向の目标に射撃することに习熟せしめ、且つ状况、特に地形之を许せば停止に方り先ず伏卧して右、左に移动し敌の予期せざる所より不意に射撃すること、射撃间敏活に位置を移动すること、発进に方り遮蔽して射撃位置を撤し敌の予期せざる所より前进すること等を演练するを要す
歩兵操典
第一篇 各个教练第二章 戦闘
第三节 手榴弾の投掷
第66 兵は沈着して好机に投じ正确に手榴弾を投掷し得るを要す
手榴弾投掷の教育に方りては、其の进歩に伴い、各种の目标に対し、不整地、壕内、瓦斯内等に於いて実施し、之に习熟せしむるを要す
第67 手榴弾の投掷に方りては、目标、地形地物等に応じ姿势及び投掷法を选ぶ。此の际、潜进して不意に投掷し得ば有利なり
数人にて投掷する场合に於いては概ね一斉に行う
歩兵操典
第一篇 各个教练第二章 戦闘
第四节 突撃
第68 突撃は兵の动作中特に紧要なり
兵は、我が白兵の优越を信じ勇奋身を挺して突入し敌を圧倒歼灭すべし。苟も、指挥官若しくは戦友に后れて突入するが如きは深く戒めざるべからず
兵は敌に近接し突撃の机近づくに至れば、自ら着剣す
第69 突撃を为さしむるには左の号令を下す
「突撃ニ 进メ」
「駈歩 前へ」の要领に依り発进し、适宜歩度を伸ばし、「突ッ込メ」の号令にて喊声を発し猛烈果敢に突进し格闘す。之が为突入の稍々前、铳を构う
突撃を発起せば、敌の射撃、手榴弾、毒烟等に会するも断乎突进すべし
第70 兵、突撃の要领を会得せば、各种の状况、地形に於いて周到なる教育を行う。此の际、突撃及び射撃を反复互用する动作、手榴弾の投掷に连繋して行う突撃、装面して行う突撃等に习熟せしむるを要す
歩兵操典
第一篇 各个教练
第三章 夜间の动作
第71 兵は夜暗に惯れ、特に耳目を活动して沈着豪胆に动作するを要す。之が为、夜暗に於ける动作、就中不整地、筑城を施しある地域等に於ける前进及び突撃に习熟し、又険难なる地形を突破し得ること紧要なり
第72 兵には夜间速やかに敌を発见し其の兵力、距离、及び行动を判定するの能力を养成し、且つ地形地物の识别及び其の価値の変化、装面して行う行动等に関し教育するを要す
夜间に於いては前进方向を维持し予期の地点に确実に到着すること必要なり。之が为、兵には方位判定の能力を与え、又著明なる目标、或は昼间记忆せる地形地物等に依り前进方向を维持することに惯れしむ
第73 夜间、企図を秘匿する为、静粛行进の要领、着装及び兵器の取扱に於いて音响を発せざるの処置、记号に応ずる动作、照明を受けたる时の动作に习熟せしめ、且つ、妄りに音声を発せざる习惯を养成し、又各种の状况、地形に於いて迅速果敢なる前进及び匍匐前进を演练すること必要なり
第74 夜间の突撃は地形地物に制せらるることなく果敢に実施し得るを要す。手榴弾の投掷の演练亦必要なり
夜间の突撃に在りては喊声を発せざるものとす
第75 兵は自ら夜间射撃の设备を行い正确なる射撃を为し、又设备なき场合に於いても小铳手、軽机関铳射手に在りては铳を地面に平行にし、且つ正确なる据铳に依り、掷弾筒射手に在りては正确なる筒の保持に依り、至近距离の敌に対し効力を収め得るを要す
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并不完整,临时保存之。
軍令陸第七号
歩兵操典
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勅语#2
纲领 #3
総则 #4
第一篇 各个教练
通则 #5
第一章 基本
第一节 不动の姿势、右(左)向、半右(左)向、后向 #6
第二节 担铳、立铳、行进 #7
第三节 着剣、脱剣、小铳及び軽机関铳の弾薬の装填、抽出 #8
第四节 射撃 #9
第五节 手榴弾の投掷 #10
第二章 戦闘
要则 #11
第一节 射撃 #12
第二节 运动、运动と射撃との连繋 #13
第三节 手榴弾の投掷 #14
第四节 突撃 #15
第三章 夜间の动作 #16
第四章 戦闘间兵一般の心得#17
第二篇 中队教练
通则 #18
第一章 密集
第一节 队形 #19
第二节 密集の动作#20
第二章 戦闘
要则 #21
第一节 分队
第一款 攻撃 #22
第二款 防御 #23
第二节 小队
第一款 攻撃#24
第二款 防御#25
第三节 中队
第一款 攻撃 #26
第二款 防御#27
第三章 夜间戦闘
第一节 攻撃 #28
第二节 防御 #29
第三节 追撃、退却#30
第四章 弾薬及び资材の补充、弾薬小队の行动 #31
第三篇 机関铳及び自动炮教练
通则 #32
第一章 密集
第一节 队形 #33
第二节 密集の动作 #34
第二章 射撃
第一节 机関铳 #35
第二节 自动炮#36
第三章 戦闘
要则 #37
第一节 分队 #38
第二节 小队
第一款 攻撃 #39
第二款 防御#40
第三节 中队
第一款 攻撃 #41
第二款 防御 #42
第三款 追撃、退却 #43
第四章 夜间戦闘 #44
第五章 弾薬及び资材の补充、弾薬小队の行动#45
第四篇 歩兵炮教练
通则 #46
第一章 密集
第一节 队形 #47
第二节 密集の动作 #48
第二章 射撃
第一节 连队炮、大队炮 #49
第二节 速射炮 #50
第三章 戦闘
要则 #51
第一节 分队 #52
第二节 小队
第一款 攻撃 #53
第二款 防御#54
第三节 中队
第一款 攻撃 #55
第二款 防御 #56
第三款 追撃、退却#57
第四章 夜间戦闘 #588
第五章 弾薬及び资材の补充、弾薬小队の行动#59
第五篇 大队教练
通则 #60
第一章 集合队形 #61
第二章 戦闘
要则 #62
第一节 攻撃 #63
第二节 防御 #64
第三节 追撃、退却#65
第三章 夜间戦闘
第一节 攻撃 #66
第二节 防御 #67
第三节 追撃、退却#68
第四章 弾薬及び资材の补充、大队弾薬班の行动#69
第六篇 通信队教练
通则 #70
第一章 密集
第一节 队形 #71
第二节 密集の动作 #72
第二章 通信
第一节 分队
要旨 #73
第一款 基本 #74
第二款 戦闘#75
第二节 小队及び通信队
要旨 #76
戦闘 #77
第七篇 连队教练
通则 #78
第一章 集合队形 #79
第二章 戦闘 #80
第三章 夜间戦闘 #81
第四章 弾薬及び资材の补充、连队弾薬班の行动#82
附录
其の一 観兵の制式、刀及び喇叭の操法#83
其の二 対戦车肉薄攻撃 #84
其の三 拳铳の操法 #85
其の四 十一年式軽机関铳の操法#86
其の五 九四式眼镜照准具の操法 #87
其の六 挽马编成大队炮及び速射炮教练 #88
其の七 平射歩兵炮教练 #89
附図
第一 #90
第二 #91
歩兵操典目次 终
歩兵操典
纲领
第1 军の主とする所は戦闘なり。故に百事皆戦闘を以って基准とすべし。而して、戦闘一般の目的は敌を圧倒歼灭して迅速に戦捷を获得するに在り
第2 戦捷の要は有形无形の各种戦闘要素を総合して、敌に优る威力を要点に集中発挥せしむるに在り
训练精到にして、必胜の信念坚く、军纪至厳にして、攻撃精神充溢せる军队は、能く物质的威力を凌驾して戦捷を完うし得るものとす
第3 必胜の信念は主として军の光辉ある歴史に根源し、周到なる训练を以って之を培养し、卓越なる指挥统帅を以って之を充実す
赫々たる伝统を有する国军は、愈々忠君爱国の精神を砥砺し、益々训练の精熟を重ね、戦闘惨烈の极所に至るも上下相信倚し、毅然として必胜の信念を持せざるべからず
第4 军纪は军队の命脉なり。戦场到る処境遇を异にし、且つ诸种の任务を有する全军をして、上将帅より下一兵に至るまで、脉络一贯、克く一定の方针に従い、众心一致の行动に就かしめ得るもの即ち军纪にして、其の弛张は実に军の运命を左右するものなり。而して、军纪の要素は服従に在り。故に全军の将兵をして身命を君国に献げ、至诚上长に服従し、其の命令を确守するを以って第二の天性と成さしむるを要す
第5 凡そ兵戦の事たる、独断を要するもの颇る多し。而して、独断は其の精神に於いては决して服従と相反するものにあらず。常に上官の意図を明察し、大局を判断して、状况の変化に応じ、自ら其の目的を达し得べき最良の方法を选び、以って机宜を制せざるべからず
第6 军队は常に攻撃精神充溢し、志気旺盛ならざるべからず
攻撃精神は忠君爱国の至诚より発する军人精神の精华にして、强固なる军队志気の表徴なり。武技之に依りて精を致し、教练之に依りて光を放ち、戦闘之に依りて胜を奏す。盖し胜败の数は必ずしも兵力の多寡に依らず。精练にして、且つ攻撃精神に富める军队は、克く寡を以って众を破ることを得るものなればなり
第7 协同一致は戦闘の目的を达する为、极めて重要なり。兵种を论ぜず上下を问わず、戮力协心、全军一体の実を挙げ、始めて戦闘の成果を期し得べく、全般の情势を考察し、各々其の职责を重んじ、一意任务の遂行に努力するは、即ち协同一致の趣旨に合するものなり。而して、诸兵种の协同は歩兵をして其の目的を达成せしむるを主眼とし、之を行うを本义とす
第8 戦闘は挽近著しく复雑靱强の性质を帯び、且つ资材の充実、补给の円滑は必ずしも常に之を望むべからず。故に、军队は坚忍不抜、克く困苦欠乏に堪え、难局を打开し、戦捷の一途に迈进するを要す
第9 敌の意表に出ずるは、机を制し、胜を得るの要道なり。故に、旺盛なる企図心と、追随を许さざる创意と、神速なる机动とを以って敌に临み、常に主动の位置に立ち、全军相戒めて厳に我が军の企図を秘匿し、困难なる地形及び悪天候をも克服し、疾风迅雷、敌をして之に対応するの策无からしむること紧要なり
第10 指挥官は军队指挥の中枢にして、又団结の核心なり。故に、常时炽烈なる责任観念、及び强固なる意志を以って其の职责を遂行すると共に、高迈なる徳性を备え部下と苦楽を倶にし、率先躬行、军队の仪表として其の尊信を受け、剣电弾雨の间に立ち、勇猛沈着、部下をして富岳の重きを感ぜしめざるべからず
为さざると遅疑するとは指挥官の最も戒むべき所とす。是此の両者の军队を危殆に陥らしむること、其の方法を误るよりも更に甚だしきものあればなり
第11 歩兵は军の主兵にして、诸兵种协同の核心となり、常に戦场に於ける主要の任务を负担し、先头に最后の决を与うるものなり
歩兵の本领は、地形及び时期の如何を问わず戦闘を実行し、突撃を以って敌を歼灭するに在り。而して、歩兵は縦い他兵种の协同を欠くことあるも、自ら克く戦闘を遂行せざるべからず
歩兵は常に兵器を尊重し、弾薬、资材を节用し、马を爱护すべし
第12 戦闘に於いては百事简単にして、且つ精练なるもの能く成功を期し得べし。典令は此の趣旨に基づき、军队训练上主要なる原则、法则、及び制式を示すものにして、之が运用の妙は一に其の人に存す。固より妄りに典则に乖くべからず。又、之に拘泥して実効を误るべからず。宜しく工夫を积み、创意に勉め、以って千差万别の状况に処し之を活用すべし
この「纲领」は、作戦要务令、及び他の各兵种の操典にも共通するもので、违いは第11条のみ(作戦要务令にはなく、全11条になっている)。
これを以って陆军の精神主义の象徴のように扱ってあげつらう例が后を绝たないが、まずこれは师団レベル以下の教科书にのみ附されていることに注意せねばならない。
つまり、これは「戦闘」に関して述べており、「戦争」に関して述べているわけではない。あくまで戦场において敌味方の部队が冲突する场面について述べているのであり、これを以って陆军全体の戦争指导にまで直结させるのは牵强付会と思われる。
第1条、戦场において速戦即决は当然である。
第2条、戦力の集中の原则について述べる。「训练精到云々」に関して言えば、これは敌には物质的戦力しかない场合について述べている。こうした状况は実际の戦史にもよく见られることで、要するに见挂けの戦力だけを见て呑まれるなということが言いたいのである。
第3条、気合が抜けていては胜てるものも胜てない。これは戦争に限ったことではない。
第4条、军队の命令系统がてんでんばらばらでは胜ちようがない。
第5条、通信连络が现代ほど整っていなかったことにも考虑する必要がある。また、これは本来戦场限りの原则であり、その限りにおいては全く正しいものである。満州事変やノモンハンでの関东军、北部仏印进驻时の第五师団の如きは戦略的な状况に対してこれを适用したが、本来许されるべきことではない。この纲领第12条にもあるように、典范令を运用するのは人であるということを思うと、実に情けない。
第6条、攻撃精神は日本军の性格から见て称扬されるのは当然であろう。要するにやる気満々にしておけということである。但し、寡を以って众を制することを前面に打ち出したのは、ソ连と対峙していることを考えれば确かにどうしても止むを得ないことではあるが、いただけないこと夥しい。
第7条、诸兵种协同の原则について述べる。歩兵が军の主兵であるとすることを时代遅れと见る向きもあるが、それは全くの勉强不足と言うしかない。米英独ソといえども陆军の主兵は歩兵であると定义しているのである。问题は、日本军には炮と戦车が圧倒的に「不足していた」ことにあるのであり、歩兵中心主义であったことにあるのではない。
第8条、これを见て补给軽视とする向きもあるようだが、作戦要务令第三部、及び実际の戦闘序列を见る限り、日本陆军は补给を軽视してはいない。补给は顽张るけれども、间に合わないこともしょっちゅうあるだろう、そういうときでもそれを理由に戦闘を止めたり休んだりしてはならぬ、という程度の文ととるのが正答と思われる。
第9条、奇袭の原则について述べる。これはごくあたりまえのことしか言っておらず、多言を要すまい。
第10条、指挥官の心得について述べる。「为さざると遅疑するとは云々」に関しては、これがあまりに强调されすぎたために、第11条と相俟って、第7条の定めを軽视し、ないし无顿着な倾向が见られたのは非常に残念と言わねばならない。尤も、歩炮戦の协同とは言っても実际に炮兵と戦车が得られる场面は少なく、これを生かし活用することに歩兵将校が不惯れにならざるを得なかったことは付言しておく。
第11条、歩兵の心得について述べる。第10条でも触れたように、歩兵は自力のみで戦闘することが可能な兵种であるということが、炮兵と戦车の不足と相俟って日本军の自灭的な戦术运用のひとつの原因となっていたことは否めない。また「弾薬、资材を节用し」のくだりは悲しいものがある。
第12条、典范令の运用方法について述べる。実际には、このような柔软性はあまり见られることがなかった。暗记してそのとおりにやる方が陆士の采点が良かったからである。陆大においてはそういうことはなかったとされるが、これはこれで戦略単位と作戦戦术単位の区别がつかない参谋や将帅を生むことになる。実际のところ、日本军においては军司令官クラスの将帅の养成についてほぼ完全に失败したと言えるだろう。そして、作戦规模の小さい陆军であるがゆえに师団长クラスでも军司令官レベルの决心を迫られることも多々あったことがこの弱点に拍车をかけることになる。
歩兵操典
総则
第1 本操典は、歩兵を训练し戦闘を実行せしむる为、准拠たるべき事项を示すものとす
第2 歩兵は、本操典に拠り指挥官以下を训练して诸制式及び诸法则に习熟せしむると同时に、军纪厳正にして精神强固なる军队を练成し、以って戦闘百般の要求に応ずべし。特に戦时に在りては実戦の経験に鉴み、将来の変化を洞察し、克く本操典を活用し、且つ教え且つ戦い、以って戦捷の获得に遗憾なからしむるを要す
第3 操典の制式及び法则には、戦闘の要求及び训练の目的に従い、自ずから軽重本末あり。故に诸队长は良く之を判别して教练の重点を明らかにし、特に主要事项は终始演练を反复し、之が彻底を期すべし
制式及び法则に妄りに细密なる规定を设け之が内容を复雑ならしむべからず
第4 戦闘の基础たる诸教练は、歩兵中队、机関铳及び连(大)队炮小队、ならびに自动炮、速射炮及び有(无)线分队に於いて之を完成するものとす
歩兵各种部队の协同、及び此等と戦车、炮兵、工兵等との协同に関しては、小なる部队の教练より绵密に教育し、且つ相互の性能を良く理解せしむるを要す
大队以上に在りては、主として诸般の戦况に适応すべき各部队の协同动作を训练し、又、他兵种と连合して统合戦闘力を発挥する如く演练するを要す
第5 歩兵戦闘は敌に近接するに従い愈々激烈困难となり、尔后に於ける戦闘の成否は実に军の胜败を左右す。故に近距离に於ける戦闘、就中突撃准备、突撃、及び阵内の攻撃に関し训练すること特に紧要なり
第6 歩兵は特に夜间の行动に熟达するを要す。故に昼间に於ける如く演练を重ね、其の精到を期すべし。黎明、薄暮の利用に习熟すること亦紧要なり
第7 短期间に教育の目的を达せんとするときは、先ず戦场紧急の训练に彻底し、直ちに戦场の用に堪うるに至らしめ、时日の余裕を得るに従い其の训练を拡充して之を完成するものとす。此の场合に於いても主要なる基础的训练を十分ならしむること紧要なり
第8 指挥官は教练に於いても実戦に於いて取るべき位置と姿势とを选びて部下を指挥するを要す
上级指挥官は教练上の必要に応じ适宜の位置と姿势とを选ぶことを得。又、所要の部下指挥官に限り、斯くの如き动作を为さしむることあり
第9 号令及び命令は、坚确なる决意、厳粛なる态度を以って下すべし。而して、号令は明快なる音调を以って発唱し、ス令は简明确切にして下达迅速なるを要す。之が为、命令には勉めて号令词を用うるを便とす
号令中、予令は明了に长く、动令は活発に短く発唱す。记号、若しくは号音を以って、号令、命令に代うることあり
指挥官は状况に応じて下すべき号令及び命令の彻底、ならびに记号に依る指挥につき常に练磨して熟达せざるべからず。而して、号令及び命令の下达后は、之が実行を确认するを要す
第10 教练の计画及び実施上、特に留意すべき事项左の如し
一 教练を行なうには先ず目的を定め计画及び実行をして之に副わしむ。特に戦闘教练に在りては、现地に就き勉めて周到なる准备を整え、常に実戦の光景及び感想を现し、其の経过を过早ならしむべからず
二 戦闘教练に在りては、精神的要素の涵养に留意すると共に、指挥官をして、戦机の看破、敌弱点の捕捉、予想外の状况の克服等に习熟せしめ、且つ溌剌たる企図心の养成に着意す
三 戦闘教练は其の进度に伴い、人马、特に指挥官の损伤せる场合、困难なる地形及び気象を克服する场合、不十分なる给养及び强度の疲労を昼夜连続耐忍する场合等に就き深刻に练磨し、且つ极寒时又は酷热时に於いて戦闘を遂行する场合、大规模且つ执拗なる飞行机、戦车、瓦斯等の攻撃を受くる场合等に着意し、逐次训练を完成す
四 戦闘教练に方り、之に関连する各种の作业、就中工事は状况の许す限り実施せしむ
五 想定は训练の目的に适合し、成るべく简単ならしめ、且つ并立して戦闘する场合のみならず、独立せる场合をも考虑す。また、常に一定不変の状况を现し教练をして、模型に陥らしむべからず
第11 本操典中、各篇共通の规定左の如し
一 记号は左の如く行い、所要に応じ之を反复す
前进 片臂(うで)を高く上げ、次いで之を进むべき方向に伸ばす
停止 片臂を高く上げ、直ちに下ろす
駈歩 前进の记号を迅速に数回连続す
散开又は疎开 両臂を左右に肩の高さに上ぐ
射撃开始 小铳の据铳の真似を为す
射撃中止 片臂を前に伸ばし、数回左右に振る
駄载(繋驾)
又は卸下(脱驾) 片臂を横に伸ばし、数回円形を描く
弾薬补充 片臂を高く上げ、数回招く
了解 片臂を高く上ぐ
所要に応じ适宜の记号を定め、又、旗、火光、信号弾、音响等を用う 二 密集教练に於いては、小队长は要すれば小声、若しくは记号に依り小队の为すべき动作を示し、整顿、队形変换に在りては小队の动作を监视す三 驭兵及び卸下(脱驾)に於ける炮手(自动炮手を除く)は、行进に方り正规の歩法に依ることなく、且つ歩を揃うるを要せず四 号令中、予令は行书して之を区别す五 铳、炮、车輌に関する、前、后、右、左の称呼は、铳、炮に在りては铳(炮)尾より铳(炮)口に、车輌に在りては车体より辕杆端に面して称し、内(外)方とは、铳、炮、车輌の中心线に近(远)き方を称す
注:第11条4项に関しては、本テキストでは斜体 を以って示す。
また、5项にある「辕杆端」(えんかんたん)とは、陆军では马车を马につなぐための縦棒を辕杆と称し、また自动车牵引のトレーラーを牵引车に接続するための棒も同じく辕杆と称した。つまり、この棒の端っこが「辕杆端」である。
歩兵操典
第一篇 各个教练
通则
第12 各个教练の目的は、兵を训练して诸制式及び诸法则に习熟せしむると同时に、军人精神を锻え军纪を练り、部队教练の确乎たる基础を作るに在り
第13 各个教练を行なうに方りては、兵をして其の目的及び精神を会得し、之を実施の上に现さしむること紧要なり
兵教育の要は巧妙にあらずして熟练に在り。熟练は教育の恳笃适切なると、复习を厌わざるとに依りて得らるるものとす
第14 軽机関铳及び掷弾筒に関しては、特に定むるものの外、小铳に准ず
歩兵操典
第一篇 各个教练 第一章 基本
第一节 不动の姿势、右(左)向、半右(左)向、后向
第15 不动の姿势は军人基本の姿势なり。故に、常に军人精神、内に充溢し外厳粛端正ならざるべからず
不动の姿势を取らしむるには左の号令を下す
「気ヲ着ケ」
両踵を一线上に揃えて着け、両足は约60度に开きて斉しく外に向け、両膝は凝らずして伸ばし、上体を正しく腰の上に落ち着け、背を伸ばし少しく前に倾け、両肩を稍々后ろに引き一様に下げ、右手にて铳を握り、左臂(うで)を自然に垂れ(徒手に在りては両臂を自然に垂れ掌を股に接す)、指は軽く伸ばして并べ、中指を概ね袴(こ)の缝目に当て、颈及び头を真直ぐに保ち、口を闭じ、眼を正しく开き前方を直视す
铳を握るには腕関节(てくび)を稍々前に出し、铳身を拇指(おやゆび)と食指(ひとさしゆび)との间に置き、他の指は食指と共に闭じ、軽く屈めて铳床に添う。铳口は右臂より约10糎离し、铳身を后ろにし、床尾踵(しょうびしょう)を右足尖の傍に置き、铳身を概ね垂直に保つ
軽机関铳を持つときに在りては右手にて脚杆(きゃくかん)を并せ握る
掷弾筒を持つときに在りては、右手にて筒口を前にし、転轮を上にして柄杆(へいかん)上部を握り、筒身を概ね水平にす
第16 休憩せしむるには左の号令を下す
「休メ」
先ず左足を出し、尔后片足を旧の所に置き、その场に立ちて休憩す。此の际、照星を擦らざる如く铳を保つ。休憩中、许可なく话すことを禁ず
第17 右(左)向、又は半右(左)向を为さしむるには左の号令を下す
「右(左)向ケ 右(左)」 又は 「半右(左)向ケ 右(左)」(なかばみぎ(ひだり)むけ みぎ(ひだり))
右手にて铳を少しく上げ腰に支え、左踵にて90度、又は45度右(左)に向き、铳を静かに下ろす
后向を为さしめるには左の号令を下す
「廻レ 右」
右手にて铳を少しく上げ腰に支え、右足を其の方向に引き、足尖を仅かに左踵より离し、両踵にて后ろに廻り、右踵を左踵に引きつけ、铳を静かに下ろす
軽机関铳を持つときに在りては、予令に依り左手にて铳口の下を握り、动令に依り両手にて铳を少しく上げ、小铳を持つときの如く动作したる后、左手を旧に复す
歩兵操典
第一篇 各个教练 第一章 基本
第二节 担铳、立铳、行进
第18 担铳を为さしむるには左の号令を下す
「担エ铳」(になえつつ)
右手にて铳を上げ、铳身を概ね右に且つ垂直にし、拳を略々肩の高さにすると同时に左手にて照尺の下を握り、铳身を半ば前に向け、铳を少しく上ぐると同时に右臂(うで)を伸ばして、食指(ひとさしゆび)と中指との间に床尾踵(しょうびしょう)を置く如く床尾を握り、铳を右肩に担い、铳身を上にすると同时に左手を游底の上に置き、右上膊を軽く体に接し、床尾の环を体より约10糎离し、铳を上衣の扣の线に平行せしめ、杠杆(こうかん)の高さを概ね第一、第二扣の中央にし、左手を下ろす
軽机関铳を持つときに在りては、上体を前に曲げ、左手にて拇指を内侧にし、握把を上より握り、上体を起こすと同时に両手にて铳を上げ、铳身を上にする如く右肩に担い、次いで右手にて食指と中指との间に床尾踵を置く如く床尾を握り、铳は上衣の扣の线に平行せしめ、用心鉄を概ね右乳の上にし、左手を下ろす
第19 担铳より立铳を为さしむるには左の号令を下す
「立テ铳」(たてつつ)
右臂を伸ばして铳を下げ、铳身を半ば右に向け且つ概ね垂直にすると同时に左手にて照尺の下を握り、铳を少しく下げ、铳身を右にすると同时に右手にて木被の所を握り、其の拳を略々肩の高さにし、铳身を后ろにし之を下げ、腰に支え、同时に左手を下ろし铳を静かに地に着く
軽机関铳を持つときに在りては、左手にて握把を上より握り、铳を少しく下げ、右手にて铳身の中央部を握り、両手にて铳を下ろし、上体を前に曲げ、床尾を置くところに注目して之を静かに置き、左手を放ち上体を起こす
第20 行进は勇往迈进の気概あるを要す
速歩の一歩は踵より踵迄75糎を、速度は1分间114歩を基准とす
速歩行进を为さしむるには左の号令を下す
「前ヘ 进メ」
予令にて担铳を为し、动令にて左股を少しく上げ脚を前に出し、之を伸ばしつつ踏みつけ、同时に概ね膕(ひかがみ)を伸ばし体の重みを之に移す。左足を踏みつくると同时に右足を地より离し、左脚に就いて示せる如く右脚を前に出して踏みつけ、行进を続け、头を真直ぐに保ち、左臂(徒手に在りては両臂)を自然に振る
铳を担うことなく行进するには、右手にて铳を少しく上げ腰に支う。軽机関铳を持つときに在りては、左手にて铳口の下を握り、両手にて铳を少しく上ぐ
第21 停止せしむるには左の号令を下す
「分队 止マレ」
后ろの足を1歩前に踏出し、次の足を引きつけて止まり立铳を为す
第22 行进间、右(左)向を为さしむるには左の号令を下す
「右(左)向ケ前ヘ 进メ」
左(右)足尖を内にして约半歩前に踏みつけ、体を右(左)方に向け、右(左)足より新方向に行进す
第23 行进间、后向を为さしむるには左の号令を下す
「廻レ右前ヘ 进メ」
左足尖を内にして约半歩前に踏みつけ、両足尖にて后ろに廻り、続いて行进す
第24 速歩行进间、歩调を止めしむるには左の号令を下す
「歩调止メ」(ほちょうやめ)
正规の歩法に依ることなく、速歩の歩长と速度にて行进す
再び正规の歩法を取らしむるには「歩调取レ」の号令を下す
第25 駈歩の一歩は踵より踵迄约85糎、速度は1分间约170歩とす
駈歩行进を为さしむるには左の号令を下す
「駈歩 进メ」(かけあし すすめ)
予令にて担铳を为し剣鞘を握り(徒手に在りては右手を握り腰の高さに上げ肘を后ろにすると共に、左手にて剣鞘を握る)、动令にて左股を仅かに上げ前に踏みつけ、次いで右脚を前に出し、体の重みを常に踏みつけたる足に移し、左臂(徒手に在りては両臂)を自然に振り、続いて行进す
停止するには「分队 止マレ」の号令にて二歩行进し、后ろの足を一歩前に踏出し、次の足を引きつけて止まり、立铳を为す(徒手に在りては剣鞘を放つと共に右手を下ろす)
速歩に移るには「速歩 进メ」(はやあし すすめ)の号令にて二歩行进し速歩に移ると共に剣鞘を放ち、続いて行进す(徒手に在りては剣鞘を放つと共に右手を下ろす)
第26 駈歩行进间の诸动作は速歩行进间に於ける要领に准ず。但し、速歩に於けるよりも二歩多く行进したる后动作す
歩兵操典
第一篇 各个教练 第一章 基本
第三节 着剣、脱剣、小铳及び軽机関铳の弾薬の装填、抽出
第27 着剣せしむるには左の号令を下す
「着ケ剣」(つけけん)
不动の姿势に在るときは、右手にて小铳(軽机関铳)を左に倾け、铳身を少しく右に、铳口を概ね体の中央前にし、左手にて柄(つか)を逆に握りて铳剣を抜き、注目して确実に铳口(规整子)の所に着け、両手にて铳を起こし、不动の姿势に复す
第28 脱剣せしむるには左の号令を下す
「脱レ剣」(とれけん)
不动の姿势に在るときは、右手にて小铳(軽机関铳)を左に倾け、注目して左手にて铳剣の柄を握り、右手を上げ拇指にて驻子を押し、左手にて铳剣を脱し、之を右の方に倒して剣尖を下にし、右手の食指、中指と拇指(右手の食指と中指)とにて刃を挟み持ち、他の指にて铳を保ち、左手を翻して柄を握り铳剣を鞘に纳め、左手にて右手の下を握り右手を下げて木被の所を握り(左手にて铳口の下を握り)、両手にて铳を起こし、不动の姿势に复す
第29 装填せしむるには左の号令を下す
「弾薬ヲ込メ」(たまをこめ)
不动の姿势に在るときは、铳口を左前上にする如く、右手にて铳を概ね体の中央前に上げ、左手にて概ね铳の重心の所を握り、其の臂を体に着け、指は铳床の沟に置き、床鼻を右乳の右下にし、床尾を体に接し、注目して右手にて杠杆を握り之を起こしつつ十分に引き、弾薬盒を开き弾薬を撮み出し挿弾子沟に嵌め、拇指の头を弾薬の后部に当て弾仓内に押入れ、次いで游底を闭じ安全装置にし、弾薬盒を闭じ留革を挂け、木被の所を握り、不动の姿势に复す
軽机関铳を持ち不动の姿势に在るときは、铳に注目して之を体に托し、両手にて脚杆を开き、右手にて提把(ていは)を握ると同时に左足を约一歩前に踏出し铳を据え、右膝を地に着け右手にて握把を握り、左手にて杠杆を引き之を旧に复し、弾仓室盖を开き弾仓を装し安全装置にし、右手にて提把を握り铳を取り、右足を左足に引きつけて起ち、両手にて脚杆を闭じ、不动の姿势に复す
第30 弾薬を抽出せしむるには左の号令を下す
「弾薬ヲ抽ケ」(たまをぬけ)
不动の姿势に在るときは、装填に准じ铳を构え、注目して右手にて弾薬盒を开き、撃発装置にし、左手を尾筒(びとう)の所にし其の四指を伸ばして方窓部に当て、游底を静かに进退して弾薬を出し、弾薬盒に纳む。弾薬を出し尽せば残弾なきを确め、左手の指にて受筒板(たまうけ)を圧し游底を闭じ引鉄を引き、弾薬盒を闭じ留革を挂け、右手にて木被の所を握り、不动の姿势に复す
軽机関铳を持ち不动の姿势に在るときは、装填に准じ姿势を取り、右手にて握把を握り注目して撃発装置にし、左手にて杠杆を引き之を旧に复し、弾仓止を前方に圧しつつ弾仓を握りて前上方に脱し、残弾なきを确め、杠杆を引き之を保ち引鉄を引きて静かに前进せしめ、弾仓室盖を闭じ、右手にて提把を握り、装填に准じ不动の姿势に复す
歩兵操典
第一篇 各个教练第一章 基本
第四节 射撃
要旨
第31 射撃は兵の动作中特に紧要なり。故に绵密周到に教育し、戦闘の为确乎たる基础を作るを 要す。但し、逆射の姿势は其の要领を、立射の姿势は単に其の概要を习得せしむるを以って足る
射撃教育に方りては、装面して演练すること亦必要なり
第32 良好なる射撃姿势は、精熟せる据铳、照准、撃発と共に、命中を良好ならしむるの基础なり
射撃姿势は兵の体格に良く适応し、常に坚确にして而も凝ることなく自然の状态に在るを要す
小铳
第33 射撃姿势を取らしむるには、目标を示し左の号令を下す。但し、対空射撃に在りては方向を示し、射撃姿势を取らしめたる后目标を示すことあり
「伏射」(ねうち) (「膝射」(ひざうち) 「逆射」(さかうち) 「立射」(たちうち))
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
伏射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、左手にて弾薬盒を左右に开き、左足を约半歩右足尖の前に踏出すと同时に上体を半ば右に向け、右膝より地に着け、左手を前に出し地に着け、体を射撃方向に対し约30度に伏卧し、同时に右手にて铳を前に出し左手にて概ね铳の重心の所を握り指を铳床の沟に置き、装填したる后、右手にて稍々下より铳把を握り、之を腮(あご)の稍々前にし、両肘を地に支え目标に注目す
膝射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、左手にて弾薬盒を左右に开き、左足を伏射に於ける如く踏出すと同时に上体を半ば右に向け、左手にて剣鞘を前に払い、右脚を曲げ其の股を目标の方向と概ね直角に平らに地に着け、臀を右足の后ろにて地に着け、左脚を立て、同时に右手にて铳を前に倒し、左手にて概ね铳の重心の所を握り指を铳床の沟に置き、其の前臂を左膝の上に置き、床尾板を右股の内侧に当て装填したる后、右手にて概ね右侧面より铳把を握り、上体を自然の方向に概ね真直ぐに保ち目标に注目す
逆射の姿势を取るには、膝射に准じ臀を地に着けつつ、左手にて概ね铳の重心の所を握り指を铳床の沟に置き、仰卧し、床尾を右腋下にし床嘴(しょうし)を地に着け铳口を上にし装填したる后、右手にて概ね右侧面より铳把を握り、铳を地面に対し约60度に保つ。后盒を有する时は先ず左手にて左に廻す
立射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、右足尖にて半ば右に向きつつ左足を约半歩左前に踏出し、同时に右手にて铳を上げつつ前に倒し、左手にて概ね膝射の如く保ち、床鼻を右乳より少しく下にし、床尾を体に接し装填したる后、右手にて概ね右侧面より铳把を握り目标に注目す
射撃姿势を取りたるとき、逆射姿势に在りては铳口を概ね眼の高さにす。何れの姿势に在りても右手の食指を用心鉄の内に入れて伸ばし、装填しあるときは撃発装置にす。又、姿势を取りたる后不具合を感ずるときは速やかに修正す。膝射に在りては体格に依り臀を右足の上に载す
第34 狙撃眼镜を铳に装するには、眼镜を取出し眼镜紧定把を「脱」に位置せしめ、左手に铳を持ち右手にて眼镜を握り、铳の眼镜止バネに装着部の钩する迄静かに推し进め、紧定把を「装」に位置せしむ
眼镜を铳より脱すには前项と反対の顺序に操作す
第35 射撃せしむるには、予め照尺(射距离)を示し、左の号令を下す
「撃テ」
连続して射撃を行なう。而して装填する毎に弾薬盒を闭じ留革を挂く
第36 射撃を中止せしむるには左の号令を下す
「撃方待テ」(うちかたまて)
据铳前の姿势に复し、次発の准备を为す
射撃を止めしむるには左の号令を下す
「撃方止メ」(うちかたやめ)
注目して安全装置にし、照尺を旧に复し、头を目标の方向にし、伏射に在りては姿势を取りたるときと概ね反対の顺序にて上体を起こし、左足を约一歩前に踏出して起ち、右足を引きつけ、弾薬盒を旧に复し、膝射に在りては右手にて木被の所を握りて起ち、目标の方向に向きつつ右足を左足に引きつけ、弾薬盒を旧に复し、逆射に在りては右手にて体を起こし、姿势を取りたるときと概ね反対の顺序にて起ち右足を左足に引きつけ、立射に在りては右手にて木被の所を握り、左踵にて目标の方向に向きつつ右足を左足に引きつけ、不动の姿势に复す
軽机関铳
第37 射撃姿势を取らしむるには、目标を示し左の号令を下す。但し、高射に在りては方向を示し、射撃姿势を取らしめたる后目标を示すことあり
「伏射」(ねうち) (「高射」(こうしゃ))
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
伏射の姿势を取るには、铳に注目して之を体に托し、両手にて脚杆を开き、右手にて提把を握ると同时に左足を约一歩前に踏出し、铳把を概ね左足尖の右傍に在らしむる如く目标に対し铳を据え、床尾の両侧に両手を着き、概ね铳身の方向に一致する如く伏卧し、右手にて握把を握り装填したる后、左手にて铳把を下より握り、目标に注目す
高射は二名协同して行う。高射の姿势を取るには、射手は伏射に於ける如く、脚杆を开き、右手にて提把を握り、铳を前に差し出して他の兵に保持せしめ、両膝を开きて地に着け、伏射に准じ铳を保ちて装填し、左手にて铳把を下より握る。又、他の兵は射手の前方约二歩に正対し、両膝を开きて地に着け、射手の差し出す铳の脚杆の踵鉄部(しょうてつぶ)を両手にて握り、両肘を外方に张り之を保つ
第38 眼镜を铳に装するには、眼镜を取出し右手にて遮光筒を前にして上より握り、之を眼镜托坐(たくざ)に装し左手にて支え、右手にて紧定す
眼镜を铳より脱すには前项と反対の顺序に操作す
第39 弾薬を弾仓に充填するには、装弾器を取出し吊纽を首に挂け、弾仓を取出して装弾器に装し、押鉄を开き弾薬を撮み出し、次いで左手にて弾仓を握り、右手にて弾薬を装弾器内に込め、左手の食指にて弾薬を下方に圧し、右手にて押鉄を一挙に内方に圧して充填す
第40 射撃は通常点射(3乃至5発)を用い、时として连続点射を用う
射撃せしむるには、予め射距离(照尺)、要すれば射向修正量、照准点を号令す。照尺、横尺に依るときは射手は之を装し、其の结果を报告す
点射を反复〔移动〕せしむるには発数を示し、左の号令を下す
「撃テ」 〔「右(左)ヨリ撃テ」〕
射手は概ね示されたる発数宛発射す
连続点射を为さしむるには「连続撃テ」の号令を下す
第41 射撃を中止するには「撃方待テ」の号令にて据铳前の姿势に复す
射撃を止むるには「撃方止メ」の号令にて、射手は床尾を肩より下ろし、杠杆を引き之を旧に复し、注目して安全装置にし、照尺、横尺を旧に复したる后、伏射に在りては头を目标の方向にし、铳を置きたる侭、右足を曲げ両手を着き左足を约一歩前に踏出し床尾の左侧に起ち、高射に在りては、左手にて铳把を握り右手にて提把を握り铳を地に置きて起ち、脚杆を保持する兵は、射手提把を握るや、姿势を取りたるときと概ね反対の顺序にて起ち、不动の姿势に复す
掷弾筒
第42 射撃姿势を取らしむるには、目标(方向)を示し左の号令を下す
「伏射」 (「膝射」)
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
伏射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、小铳手の伏射に准じ、体を射撃方向に対し约10度に伏卧し、右手にて筒を前に据え、右肘を地に着け、左手にて左上より筒身の略々中央を、右手にて柄杆下部を握り、左臂を伸ばして筒を水平面に対し45度に保ち、右手にて引革を握り、目标に注目す
膝射の姿势を取るには、头を目标の方向に保ち、小铳手の膝射に准じ、右膝を地に着け臀を右踵の上に落着け、止板(とめばん)前端概ね左足の内侧中央に在る如く筒を据うるの外、伏射に准ず
第43 装填は発射の直前に行なう
装填するには弾薬手は弾薬を取り、安全栓を抜き、装薬室を下にし、弾轴を筒身に一致せしめて筒口に嵌め、食指にて肩部を圧して筒内に押込む
射手自ら装填するには、右手にて弾薬を取り安全栓の纽を咥えて抜きたる后装填す
第44 掷弾筒の射撃は指命射及び各个射とす
射撃せしむるには、予め距离分画を、榴弾以外の弾种を使用するときは距离分画の前に弾种を号令す。射手は所命の分画を装し、其の结果を报告し、装填终れば「准备终リ」と报告す
指命射を为さしむるには、例えば左の号令を下す
「第一 撃テ」
射手は引革を引きて発射し、射弾の方向を観测す
各个射を为さしむるには、例えば左の号令を下す
「各个ニ3発 撃テ」
射手は最大の速度にて所命の弾数を発射す。终れば「撃终リ」(うちおわり)と报告す
第45 不発の时は、射手は数回引革を引き、尚発火せざるときは「不発」と唱え弾薬を抽出す
弾薬を抽出するには、射手は転轮を廻し、筒口より弾薬现るるや弾薬手は信管に触れざる如く确実に之を握り、徐(おもむろ)に抽出し安全栓を挿す
第46 射撃を中止するには「撃方待テ」の号令を下す
射撃を止むるには「撃方止メ」の号令にて、残弾あるときは之を抽出したる后、射手は距离分画を略々中央に复し、右手にて柄杆上部を握り、小铳手の射撃を止むるときに准じ不动の姿势に复す
歩兵操典
第一篇 各个教练第一章 基本
第五节 手榴弾の投掷
第47 投掷姿势を取らしむるには、目标を示し左の号令を下す
「立投」(たちなげ) (「膝投」(ひざなげ) 「伏投」(ねなげ))
不动の姿势に在るとき目标(方向)を示さるるや、先ず之に正対す
立投の姿势を取るには、铳を右手に持ちたる侭、両踵を目标と概ね一线上に在らしむる如く、立射に准じ姿势を取り、铳を左臂に托し、手榴弾を取出し安全装置を解きて発火の准备を为し、左手にて铳を提ぐ
膝投の姿势を取るには、膝射に准じ姿势を取り、右足尖を立て臀を右踵の上に乗せ、铳を右前に置き、手榴弾を取出し発火の准备を为す
伏投の姿势を取るには、伏射に准じ姿势を取り、铳を右前に置き、手榴弾を取出し発火の准备を为し、臀を高くせざる如く左脚を腹部の下に深く曲ぐ
左手にて投掷するを利とする者は右手にて投掷する者に准じ适宜动作す
第48 投掷せしむるには左の号令を下す
「投ゲ」
信管を発火せしめ、其の発火を确认したる后投掷す
歩兵操典
第一篇 各个教练 第二章 戦闘
要则
第49 戦闘各个教练は、兵をして散兵の动作に必要なる基础を得しむることを目的とす。之が为、敌に対し地形地物を利用して前进し、停止し、射撃し、突撃することに习熟せしむると共に、特に攻撃精神を养成し、以って自ら信じて戦闘し得るの能力を与うるを要す
第50 戦闘各个教练の教育に方りては、最初は号令に依り动作せしめ、要领を会得せば号令に依ることなく実施せしむ
戦闘各个教练は教育の各期を通じ绝えず之を行ない、又、瓦斯内の戦闘に习熟せしむるを要す
歩兵操典
第一篇 各个教练第二章 戦闘
第一节 射撃
要旨
第51 射撃教育に方りては、戦场に於ける诸般の状况に即し、常に正确适切に射撃し得る如く训练するを要す。之が为、速やかに目标を発见し适当に之を选ぶこと、适切に照准点を定めむること、视え难き目标を的确に射撃すること、及び剧动后に於いても沈着して正确なる射撃を行うことに习熟せしめ、特に狙撃手及び軽机関铳射手に在りては此等に熟达せしめ、且つ隠顕、移动目标をも机敏的确に狙撃し得しむ
第52 射撃の为地形地物を利用するの要は、铳、筒の最大威力を発扬するを主とし、并せて遮蔽の効果を収むるに在り。故に、兵をして目标及び敌火の状态に応じ、各种の地形地物に就いて価値を判别し、要すれば之を改修し、适切に射撃することに习熟せしむ
小铳
第53 射撃に方りては、地皱又は土块と虽も巧みに利用して姿势を坚确にし、或は铳を地物に托し、或は铳の脚を用い、射撃効力を発扬す。铳を依托するときは、铳口を少なくも约10糎地面より离す
胸墙に拠る射撃は、身体の全部又は左侧を内斜面に接し、両肘又は左肘を臂座に置き铳を胸墙に托す。又、树木に拠る射撃は适宜左前臂を之に托す
第54 地形地物を利用する膝射の姿势に在りては、右足尖を立て臀部を右踵の上に载せ、或は臀部を上げ、或は両膝を立て両肘を其の上に置き、或は左肘を膝より离して立射の如くする等、适宜応用姿势を取ることあり
倾斜せる土地に於ける伏射の姿势に在りては、体の角度を増减し、又は片肘を开闭し、或は脚を曲ぐる等の手段に依り体を安定にし、据铳を确実にす
第55 対空射撃の为には、通常逆射、若しくは膝射の応用姿势を用う。状况に依り伏射を用うることあり
軽机関铳
第56 射撃は軽机関铳射手の为、最も重要なる戦闘手段なり。故に、之に习熟するの外、铳の构造机能及び固癖を知悉し、且つ故障の予防及び排除に习熟し、軽机関铳の特性を遗憾なく発挥するを要す
射手は目标の状态、距离の远近等に依り自ら射法を选び、且つ点射に於ける発数を决定し得ざるべからず
连続点射は瞬间现出する有利なる目标、又は至近距离に於ける密集目标等に対し、一时之を行なう
第57 铳を据うるには、目标に対し両脚杆及び両臂の高低の関系を适当ならしめ、又、発射に方り铳口前に尘烟の扬らざる如く考虑す
両脚杆の位置は左右概ね高低なく射撃に际し脚杆の没入せざる所に选び、両肘の位置は射撃中変移することなき所に选ぶ
脚杆を低(高)くするには铳を后方に引き、右手にて提把を握り、左手の拇指にて脚杆头驻子を圧し脚杆を前(后)方に移し、铳を旧に复す
状况に依り后脚を使用して射撃するを利とすることあり
铳を直接地物に托するの止むなきときは「ガス」排出孔を塞がざることに注意し、且つ铳口を少なくも约10糎地面より离す
第58 铳座に拠る射撃は通常体の前部を内斜面に接し、伏射に准じ行う
树木に遮蔽して射撃するときは、装填、薬荚の蹴出に支障なきを要す
地形地物の状态に拠り、小铳に於ける立射、膝射の姿势を准用することあり
掷弾筒
第59 筒を据うるに方りては、止板の位置良好にして、且つ射弾の観测に支障なき限り、勉めて遮蔽せる位置を选ぶ
止板の位置は左右高低なく安定良き所に选ぶ
著しく坚硬なる土地に於いては、止板の下に适宜の物料を敷く
地物の后ろに在りては、之に射弾の触れざる如く、适宜离れて止板の位置を定む。又、倾斜地に在りては特に射角を误らざること紧要なり
胸墙に拠る射撃は身体の前部を内斜面に接し、伏射に准じ行う
歩兵操典
第一篇 各个教练 第二章 戦闘
第二节 运动、运动と射撃との连繋
第60 兵は、运动、特に発进、停止の动作を机敏にし、敌をして目标を捕捉し难からしめ速やかに敌に近接す
第61 早駈(駈歩)(匍匐)にて前进せしむるには、左の号令を下す
「早駈(駈歩)(匍匐) 前ヘ」 (はやがけ(かけあし)(ほふく) まえへ)
「早駈(駈歩)」の号令にて安全装置にし、小铳手に在りては表尺を倒し右手にて木被の所を握り、掷弾筒射手に在りては残弾あるときは之を抽出し右手にて柄杆を握り速やかに前进准备を整え、「前へ」の号令にて、小铳手に在りては铳口を上にして铳を提げ、軽机関铳射手に在りては右手にて提把を握り通常左手にて充実せる弾仓嚢一个を持ち、掷弾筒射手に在りては筒を提げ、直ちに早駈(駈歩)にて前进す
「匍匐」の号令にて、前项に准じ速やかに准备を整え、「前へ」の号令にて、铳、筒を适宜保持し、匍匐にて前进す
匍匐するには、伏卧して左脚を右脚下に深く曲げ、右脚を臀の后ろに曲ぐると同时に左肘又は左手を前に出し、右足にて体を推进し、或は両肘を支点として体を前に进め、又は片肘を支点とし反対脚を前侧方に曲げ、其の脚及び膝にて体を推进する等の方法に依る
発进に方り、准备の为、著しく姿势を変化し敌の注意を唤起せざるを要す
早駈若しくは駈歩を为す场合に於いては剣鞘を握らざるも妨げなし
速歩にて前进せしむるには「前へ」の号令を下す。兵は第二项に准じ速歩にて前进す
第62 停止せしむるには左の号令を下す
「止レ」
速やかに地形地物、阴影等を利用して停止し、适当なる位置と姿势とを选び、射撃す。射撃の任务を有せざるときは、伏卧、折敷に准じ适宜姿势を取り遮蔽す
伏卧に在りては勉めて姿势を低くし、軽机関铳射手は通常铳を傍に置く。何れの场合に於いても著明なる地形地物の付近に位置せざるを要す
第63 兵は前进の好机を看破して、一地より一地に敏速に直进し、或は地形地物、阴影等を利用する为要すれば针路を偏移し、又は身体を屈し、若しくは匍匐して敌に近接し、且つ、各种の障碍物、壕、弾痕等を适切なる姿势と歩度とを以って軽快に通过す
兵は前进方向を确実に维持すること必要なり
第64 歩度は敌火の状态、地形等に依り异なるも、敌弾下に在りては早駈、时として駈にて跃进し、又は匍匐す。敌の有効射撃を被らざるときは速歩を用うることあり
早駈若しくは駈歩にて一跃前进すべき距离は一定し难しと虽も、敌火の効力著しきときは通常30米を超えざるを可とす
第65 运动と射撃との连繋を教育するに方りては、停止后速やかに地形地物を利用し的确に射撃すること、及び前进方向と异なる方向の目标に射撃することに习熟せしめ、且つ状况、特に地形之を许せば停止に方り先ず伏卧して右、左に移动し敌の予期せざる所より不意に射撃すること、射撃间敏活に位置を移动すること、発进に方り遮蔽して射撃位置を撤し敌の予期せざる所より前进すること等を演练するを要す
歩兵操典
第一篇 各个教练第二章 戦闘
第三节 手榴弾の投掷
第66 兵は沈着して好机に投じ正确に手榴弾を投掷し得るを要す
手榴弾投掷の教育に方りては、其の进歩に伴い、各种の目标に対し、不整地、壕内、瓦斯内等に於いて実施し、之に习熟せしむるを要す
第67 手榴弾の投掷に方りては、目标、地形地物等に応じ姿势及び投掷法を选ぶ。此の际、潜进して不意に投掷し得ば有利なり
数人にて投掷する场合に於いては概ね一斉に行う
歩兵操典
第一篇 各个教练第二章 戦闘
第四节 突撃
第68 突撃は兵の动作中特に紧要なり
兵は、我が白兵の优越を信じ勇奋身を挺して突入し敌を圧倒歼灭すべし。苟も、指挥官若しくは戦友に后れて突入するが如きは深く戒めざるべからず
兵は敌に近接し突撃の机近づくに至れば、自ら着剣す
第69 突撃を为さしむるには左の号令を下す
「突撃ニ 进メ」
「駈歩 前へ」の要领に依り発进し、适宜歩度を伸ばし、「突ッ込メ」の号令にて喊声を発し猛烈果敢に突进し格闘す。之が为突入の稍々前、铳を构う
突撃を発起せば、敌の射撃、手榴弾、毒烟等に会するも断乎突进すべし
第70 兵、突撃の要领を会得せば、各种の状况、地形に於いて周到なる教育を行う。此の际、突撃及び射撃を反复互用する动作、手榴弾の投掷に连繋して行う突撃、装面して行う突撃等に习熟せしむるを要す
歩兵操典
第一篇 各个教练
第三章 夜间の动作
第71 兵は夜暗に惯れ、特に耳目を活动して沈着豪胆に动作するを要す。之が为、夜暗に於ける动作、就中不整地、筑城を施しある地域等に於ける前进及び突撃に习熟し、又険难なる地形を突破し得ること紧要なり
第72 兵には夜间速やかに敌を発见し其の兵力、距离、及び行动を判定するの能力を养成し、且つ地形地物の识别及び其の価値の変化、装面して行う行动等に関し教育するを要す
夜间に於いては前进方向を维持し予期の地点に确実に到着すること必要なり。之が为、兵には方位判定の能力を与え、又著明なる目标、或は昼间记忆せる地形地物等に依り前进方向を维持することに惯れしむ
第73 夜间、企図を秘匿する为、静粛行进の要领、着装及び兵器の取扱に於いて音响を発せざるの処置、记号に応ずる动作、照明を受けたる时の动作に习熟せしめ、且つ、妄りに音声を発せざる习惯を养成し、又各种の状况、地形に於いて迅速果敢なる前进及び匍匐前进を演练すること必要なり
第74 夜间の突撃は地形地物に制せらるることなく果敢に実施し得るを要す。手榴弾の投掷の演练亦必要なり
夜间の突撃に在りては喊声を発せざるものとす
第75 兵は自ら夜间射撃の设备を行い正确なる射撃を为し、又设备なき场合に於いても小铳手、軽机関铳射手に在りては铳を地面に平行にし、且つ正确なる据铳に依り、掷弾筒射手に在りては正确なる筒の保持に依り、至近距离の敌に対し効力を収め得るを要す
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并不完整,临时保存之。